項目をリストアップし、箇条書きで表現するスライドは、体言止めか用言止めで統一しておく。

体言止めと用言止めが混在しているスライド

体言止めとは文を名詞や代名詞で終わらせる表現、それに対して用言止めは動詞、形容詞、形容動詞で終わらせる表現を言う。たとえば
「新しい治療法の普及」
は体言止めであり、
「新しい治療法を普及する」
ならば用言止めとなる。

赤が体言止め、青が用言止め

■体言止めと用言止めを混在させるとわかりにくい
文末の表現をいちいち気にしていては手間がかかってしまうという考えもあるかもしれない。しかし、大きなスクリーンで体言止めと用言止めが混在していると見た目が悪いうえに、理解しにくい。
わかりやすいスライドにするために、ぜひ統一して欲しいのだが、実際に作っていくと用言止めは動詞を使うため、それほど難しくないけれど、体言止めの表現はすぐに思いつかないことがある。たとえば「普及する」を「普及」に変えるだけならば簡単だが「(相手の目を見て)話す」や「(意見を)述べる」といった表現はすぐには言い換えができないかもしれない。
■ネットの類義語辞典を使う
言い換えの表現が頭に思い浮かばない場合は Google などで「話す 類義語」「述べる 類義語」と検索してみよう。上位にリストアップされた結果にオンラインの類語辞典が含まれているので、それをクリックして該当ページを見れば、類義語が上げられている。その類義語からふさわしい表現を選んだり、ヒントにしたりすると、体言止めにしやすい。先にあげた例であれば
「相手の目を見て話す」は、「相手の目を見た対話」「相手の目を見た発声」「相手の目を見た発言」などに、「意見を述べる」は、「意見の表明」「意見の申し出」「意見の説明」などに変えることができる。

■単語の順番を入れ替え、全体の印象を整える
また文末の表現を工夫する以外にも、体言止めでは単語の順を入れ替える方法も有効だ。たとえば「構成メンバーが十分である」は、「十分な構成メンバー」と言い換えることができる。
こうした方法をヒントにしながらスライド全体として違和感のないように表現を整えていく。最初に上げたスライドを改善したものを下にあげておくので、参考にして欲しい。

用言止めで統一したスライド

体言止めで統一したスライド

箇条書きのスライドの項目は、体言止めか、用言止めのどちらかだけを使った表現にしておこう。