グラフは数値をビジュアル化する代表的な表現方法である。
グラフより表のほうが詳細な数値を正確に表現できるが、グラフは数値が持つ本質的な特徴や傾向などを容易に伝えられる。ただし、適切に表現されていないグラフは意図した内容が伝わらないだけでなく、事実と異なっている印象を与える場合がある。
グラフを生かすためには、適切な種類を選び、数値が持つ特徴を理解して適切に表現する必要がある。

グラフ作成のポイント
  1. 伝えるメッセージを明確にする
    グラフを使って何を伝えるかを明確にする。そしてひとつのグラフで伝えるメッセージはひとつに絞る。
  2. ふさわしい種類を選ぶ
    グラフにはさまざまな種類があって、それぞれの特徴は異なっている。目的に応じたふさわしい種類のグラフを選択する。
  3. 初期設定を見直す
    文字の読みやすいフォントとサイズにし、派手すぎないで品よく注目を引く表現にする。信頼性を損なわないように数値を含むファクトを必要な範囲で提示する。
  4. 各要素の記述を加える
    単位を忘れずに記述し、補足事項がある場合にはもれなく示し、出典や調査に関する情報などを記載しておく。
棒グラフを見直す

棒グラフはデータを比較するために使われる。棒の長さを比較することで数値の大小の違いを感覚的に理解できる。
棒グラフを見るときには、ひとつひとつの棒の長さを個別に読み取るのではなく、グラフ全体を見て、どの棒が長く、どの棒が短いかを確認している。
基点は原則として0である必要がある。

こう表現する

ここを変える


この記事は4月1日刊行される「学会スライド図解の技術〜グラフと表効果的な見せ方・作り方〜」の内容の一部を再編集したものである。