発表用の資料を作るときに,スライドの枚数は,どのように決めていますか.
「一枚ずつ言っておきたいことを入れて作っていったら,この枚数になった」
そう答える人は少なくありません.発表で言っておきたいことをすべて盛り込んだ結果としての枚数ということですが,このやり方では,発表時間で説明が全部収まらなかったということになりかねません.
■発表時間から枚数を考えてみる
スライドの枚数は伝えておきたい内容ではなく,発表時間から考えるようにしましょう.短い時間の発表ならば,一枚のスライドは30秒から1分間.少し時間がある発表の場合ならば,一枚,2分間から,どれほど長くても4分間程度までにしておきます.短時間でスライドを切り替えれば,理解が未消化になったり,せわしない印象を与えたりする一方で,同じスライドをあまり長い時間見せられれば,視覚的に飽きてしまい,内容への関心も低下してしまいます.
もちろん,ちょっと見せればよいだけのスライド,たとえば表紙や目次であれば,もっと短くてもいいですし,ムービーを使ったものであれば長くても大丈夫です.
■「このスライドでは,このことについて理解してもらう」をはっきりと
短時間で,内容を確実に伝えるには,一枚一枚のスライドで,何を伝えるかをはっきりさせておく必要があります.たとえば1分間で説明するスライドであれば,その1分間という時間を使って説明し,1分後に何が伝わっていればよいかを明確にしておきます.
スライドで理解してもらいたいことが決まったら,そのために必要不可欠な情報が何かを考えます.このときのポイントは本当に必要なものだけに絞ることです.関連があるからといって,あれもこれもと入れていけば,盛りだくさんとなり,限られた時間で内容を理解することができなくなってしまいます.
思い切って余計なものを捨て去ったら,より理解しやすい見せ方を検討し,表現を決めてゆきます.