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第6回 図を描く(その3)-ひな形を使い回す(後半)

第6回 図を描く(その3)-ひな形を使い回す(後半) published on

次のチャートを見て下さい.あなたが,このチャートを作るとしたら,どういう手順で作るでしょうか.どうやって作ったらよいのか,すなわち作成のアプローチを考えることによって,形や配置が整った見ばえのよいチャートを短時間で作ることができます.
図1

■グループ化を活用する
チャートを作るには,前回取り上げた,コピーと位置揃えの機能に加え,グループ化を使いこなすことが大切です.
グループ化とは複数の図を組み合わせ,ひとつにできる機能です.グループ化することによって,図の扱いが楽になります.

■複雑な図も作り方の工夫で手間を省ける
それでは,チャートを作る手順を見ていきましょう.
(1)タイトルと,ひな形を描きます.
図2

(2)ひな形をコピーし,矢印を描きます.
図3

(3)できあがった図を縦方向に位置を揃え,上下方向に等間隔に並べたあとで,グループ化します.
(PowerPoint でグループ化するには,複数の図を選んでおいて[ホーム]タブ→[配置]→[オブジェクトのグループ化]→[グループ化]をクリックします)
図4

(4)グループを必要な数だけコピーします.
図5

(5)各グループを横方向に位置を揃え,左右方向に等間隔に並べたあとで,ひとつにグループ化します.
図6

(6)枠を描き,(5)で作ったグループと,縦方向と横方向に位置を揃えたあと,ひとつにグループ化します.
図7

(7)図と文字を追加します.
図8

(8)(6)で作ったグループと(7)で作った図を縦方向に位置を揃え,上下方向に等間隔に並べます.
図9

(9)枠の中の文字を修正すれば,完成です.
図10

■頭の中でアプローチの構想を練る
いかがでしょうか.初めての方はたいへんに思われるかもしれませんが,慣れてしまえば,それほど手間でもありません.
ポイントは,キーボードを触る前に,頭の中でどのように作っていったらよいかアプローチを考えておくことです.作ろうとするチャートのイメージを,ラフでよいので紙に書き出し,どこか使い回しできるところはないか,少しでも省力化できるところはないか考えてみましょう.
このシリーズの第1回に取り上げたフローチャートのテンプレートも,こうした方法によって作っています.みなさんも必要に応じて,自分のテンプレートを作ってみましょう.テンプレートの数を増やしていけば,どんどん資料作りが楽になっていきます.

第5回 図を描く(その2)-ひな形を使い回す(前半)

第5回 図を描く(その2)-ひな形を使い回す(前半) published on

図を使ったチャートには,同じ形の図を繰り返し使っているものがあります.そうしたチャートを作るとき,ひな形をひとつ作り,使い回すと効率よく作ることが可能です.
具体的には,ひな形を必要な数だけコピーし,位置を調整し,そのあとに文字や色を修正します.
例として下にあげるチャートを作る場合を考えてみましょう.
図1

■ひな形を選択する
効率よく作るポイントは,ひな形となる図を正しく選択することです.この図ならば,ひな形は一番下の「小児救急を含む小児医療」です.
他の長方形の図を選ばない理由は,それらをひな形に選んだ場合,最後の文字を修正するときに,文字が図からはみ出してしまうおそれがあるからです.

■コピーと位置揃えの機能を使う
それでは,チャートを作る手順を見ていきましょう.
(1)タイトルと,ひな形を描きます.
図2

(2)必要な数だけ,ひな形をコピーします.
図3

(3)コピーしてできた5つの要素を縦方向に整列させます.
(PowerPointで整列させるには,複数の図を選んでおいて[ホーム]タブ→[配置]→[オブジェクトの位置]→[配置]をクリックし表示されるメニューから配置方法を選びます)
図4

(4)5つの要素を上下方向に等間隔に並べます.
(PowerPoint で等間隔に並べるには,複数の図を選んでおいて[ホーム]タブ→[配置]→[オブジェクトの位置]→[配置]をクリックし表示されるメニューから配置方法を選びます)
図5

(5)枠の中の文字を修正すれば,完成です.
図6

■ひな形の選択の基準は
チャートを作るには,部分部分をひとつずつ作るのではなく,ひな形をひとつ作って,それを使い回す.その時に,ひな形となる図は,最も文字列の長いものや行数の多いものを選ぶようにすることが大切です.
次回は,こうしたテクニックを使って,もう少し複雑なチャートを作るための実践的な方法を紹介します.