Skip to content

レジデントのための薬物療法 呼吸器内科 薬のルール73!

レジデントのための薬物療法 呼吸器内科 薬のルール73! published on

実践的な知恵が平易に身に着く

メディカル朝日 2014年2月号 BOOKS PICKUより

種類が多く難解に感じる呼吸器疾患の薬物療法のポイントをつかみやすく、臨床現場ですぐに役立つように解説した一冊。喘息を合併しているか迷う時の対処は? 治療はいつまで続ける? 分子標的薬の使い方は? かぜに薬は必要? しゃっくりはどう治す?…など、興味を引くテーマに、図入りの見開きページで端的に答え、様々な日常診療の疑問を解決。

朝日新聞出版より転載承諾済み(承諾番号24-0347)
朝日新聞出版に無断で転載することを禁止します

レジデントのための呼吸器内科ポケットブック

レジデントのための呼吸器内科ポケットブック published on

著者らが積み上げてきた「1分間指導法」の集大成

medicina Vol.49 No.7(2012年7月号) 書評より

川名明彦(防衛医科大学校内科学 教授)

レジデントが学ぶべき専門知識や技術は膨大である.彼らが成書を読み,最新の文献をチェックして知識を得ることはもちろん重要である.しかし病棟や救急外来で,患者さんの病状を評価し,素早くアクションを起こさなければならない場面では,優れた先輩医師や指導医のちょっとしたアドバイスがより貴重な指針となることも多い.また,このように差し迫った場で学んだことは一生忘れないものである.ただ残念なことに,当直や救急の現場で,いつも優れた指導医がいてくれるわけではない.さらにレジデントともなれば,一人で判断し,行動しなければならない場面も多い.そのような臨床の現場で,レジデントに対して迅速かつ適切なアドバイスをくれる,優秀な先輩医師のような役割を果たすのが本書である.
本書は,「指導医が研修医に,『1分間指導法』を実践している場面をイメージして作成」されたという.本書を編集した吉澤,杉山両医師は「教え上手」で有名である.私は,彼らがX線写真などの前で研修医にちょっとしたミニレクチャーを始めると,周りに何人もの研修医が集まって来て,そのレクチャーに聞き入っている様子を幾度も目にしたことがある.著者らがこれまで積み上げてきた,この「1分間指導法」の集大成が本書であると言えよう.
本書は「教科書の縮刷版のような『読む本』ではなく,必要な情報にすぐアクセスできる『実践的なテキスト』にすることをめざした」とある.私は書評を書くため本書を通読してみたが,比較的短時間で読了できる上,「読む本」としても充実していると感じた.本書を通読することで,現代の呼吸器診療のスタンダードを短時間に復習することもできる.その意味で,レジデントばかりではなく,呼吸器臨床のエッセンスを再確認したいシニアドクターにも有用である.
多くの分担執筆者の合作ということもあり,項目ごとの趣が若干異なっているが,それはむしろ先輩医師たる各執筆者の個性ということもできよう.また,本書はあくまでもポケットマニュアルであり,ぜひ本書で学んだことをさらに成書や学術論文をひもといて膨らませていただきたい.編集者が「この本に書かれた知識をもとに,英知につながる知恵の糸口をつかむことを期待している」と述べているのは,そのことであろう.

疾患が読める! 胸部X線画像診断アトラス

疾患が読める! 胸部X線画像診断アトラス published on

まさに「読める!」胸部X線画像診断アトラス

日本胸部臨床 Vol.71 No.11(2012年11月号) 書評より

評者:迎 寛 先生(産業医科大学呼吸器内科学教授)

この本はまさに自分がこんな本を作ってみたかった,こんな本で勉強したかった,と思う一冊である。胸部X線写真は,現在でも健診や入院時ルーチン検査として一般的な検査の一つであり,専門以外の医師でも日常診療において判断が必要とされる検査である。胸部X線写真での異常を見落とさないためには,読影に関するしっかりとした知識が必要であり,特に専門以外の医師においては理解しやすい本が必要となる。また,著者が述べているように呼吸器専門医の実臨床にとって,「病態や病理と関連づけた読影」はきわめて大切なことである,その点,本書では,一枚の胸部X線写真からできるだけ多くの情報を引き出すような工夫がなされている。また,読影に際しての大きなポイントがまず提示された後,所見の詳細な解説が数多くのシェーマ図やCT画像を関連させつつ様々な側面からなされている。本文も箇条書きで,明解に要点がまとめられているためにわかりやすく,学生や初心者から呼吸器専門医まで幅広い層で有効な活用が期待できる。
この様に,臨床現場で呼吸器臨床医が実際にとる思考のプロセスを辿るように,胸部X線写真の情報を整理するという手法が用いられ,さらに病態についての解説と鑑別すべき疾患の確認が効率よくなされている点は本書の特筆すべき特長である。これは本書が,放射線科医によってではなく,呼吸器内科医が豊富な臨床の経験をふまえて執筆,編集した試みが大きな成功をおさめた結果ではないかと思う。本書のイメージとしては,経験のある臨床医が一枚の胸部X線写真を見て読影する際に,頭の中でどのように異常をとらえ,どのように評価して鑑別疾患を挙げ,病態や疾患を鑑別していくかが見えるような感触である。さらに,多くの日常診療で遭遇する代表的な疾患ごとに,画像読影法に加え,病態生理,病理所見,特徴的な臨床的所見や検査所見,鑑別すべき疾患や病態,進めるべき検査などが具体的かつ丁寧に解説されている。
本書の使い方については,一度通読して読影の進め方や異常所見のとらえ方,代表的疾患の特徴的画像所見を系統的に学習する事で,医学生から研修医,医療スタッフ,呼吸器内科や放射線科以外の非専門医はもとより,呼吸器専門医にとっても日常診療に役立つ知識が身に付く。また,本書は疾患ごとにまとめられていることから,実際に類似の症例に遭遇したときに改めて読み直す,というような使い方にも向いている。胸部X線写真やCTの入門書としては実臨床に直接結びついた丁寧かつ分かりやすい本であり,何度でも読み直そうと思える本であるとともに,実際の診療の場で活用することで,読影力,ひいては臨床力が格段に上がるであろう。