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小児診療 Knowledge & Skill 5 小児救急 小児集中治療-救急外来・PICUの実践ルール

小児診療 Knowledge & Skill 5 小児救急 小児集中治療-救急外来・PICUの実践ルール published on

小児救急・集中治療の実践的ガイドとして

評者:大崎真樹(名古屋大学医学部附属病院小児循環器センター集中治療部)

小児救急・集中治療の領域は、高い専門性と迅速な判断が求められる現場である。日々の診療において重症患児と向き合う医療者にとって、本書は最新の知見と臨床的な実践を補完する一助となるだろう。

本書は「Skill(手技)」に焦点を当てた第1章と、「Knowledge(知識)」を軸とした第2章の二部構成をとっている。臨床現場で必要とされる基本的な手技と対応すべき疾患・病態が明確に区分されており、実務に即した構成となっている。第1章では救命処置からECMO管理などの高度な手技までが網羅されており、第2章では敗血症や先天性心疾患の急性増悪、虐待対応といった現代の小児医療における重要なトピックまで広くまとめられている。

また本書は全ページがフルカラーで構成され、視覚的にわかりやすいデザインでまとまっている。骨髄路や血管路の確保、心臓超音波検査といった各種手技については写真が豊富に用いられ、手順の詳細が解説されている。理論だけでなく視覚的な情報を通して技術の習得や確認ができるため、臨床現場において非常に有用な実用書となるだろう。

こういった構成は専門医だけでなく小児救急の基礎を固めたい研修医や若手医師にとっても非常に有益である。手技の詳細な写真解説は安全かつ確実なアプローチを学ぶための教材として活用でき、多くのメディカルスタッフにとっても集中治療における標準的なプロセスを理解するための視覚的なリファレンスとなるだろう。多職種連携を円滑に進める一助として利用して頂きたい。

執筆陣は各分野の新進気鋭のエキスパート達であり、これら専門家による執筆を通じてエビデンスに基づいた標準的な治療指針と、臨床経験に基づく知見が盛り込まれている。また重症患者の集約化や搬送体制、臓器提供といった医療体制の課題についても言及されており、個別の症例管理だけでなくシステム的な視点からも理解を深めることができる。

小児救急・集中治療に携わる医師や看護師をはじめとする多職種にとって、本書は日々の診療を支える頼もしい参考資料である。理論と実践的な手技が体系的に整理されており、自身の知識を整理・更新するツールとして、あるいはチーム医療の質を向上させるための共通言語として、広く活用して頂きたい。