小児科診療 81巻5号(2018年5月号)「書評」より

評者:横谷 進(福島県立医科大学 甲状腺・内分泌センター長)

このたび,一般社団法人 日本小児内分泌学会から診療ガイドライン集が刊行されました.さまざまな学会からガイドライン集が発刊されていますが,小児内分泌学の領域でも待望のガイドライン集が入手可能になりました.各領域が専門分化していくなかで,臨床小児内分泌学も独自の進歩を急速に遂げていることから,的確な診療のためにはこのようなガイドラインが必須になっています.
日本小児内分泌学会は,私が知る限りでも30年以上前からいくつかの疾患に対するガイドラインを公表してきました.その後に明らかになった多くの臨床的知見に基づく改訂や,新たに確立されてきた診療ガイドラインのあり方に即した改訂も必要になっています.こうした地道な作業は,学会内に設置されたガイドライン委員会が担うことにより着実に進められてきました.今回の刊行に際して,以前に公表されたガイドラインも含めて再点検されたことにより,最新のガイドラインになっているので,安心して利用することができます.
目次を見ただけで,どのようなガイドラインがあるのか(ないのか)がすぐにわかります.小児内分泌領域の診療ガイドラインを探すなら,まず,本書にあたってみることをお勧めします.