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モーションエイド

モーションエイド published on

生活の場面別に動作の基本を具体的に示している

月刊ナーシング Vol.36 No.1(2016年1月号) Book Review

“モーション”は動き,“エイド”は援助・助力の意.本書は,ケアにおいて効率的にモノを動かすための動作介助ではなく,日常生活の“動き”や“姿勢”につながる援助が大切であると説く.体の基本的な仕組みを“支える場所”と“動く場所”を中心に解説.食事や排泄,入浴,睡眠等の生活の場面別に動作の基本を具体的に示した.写真とイラストを豊富に用いて解説しており,非常にわかりやすい.


生活場面ごと写真・イラスト多用し解説

介護新聞 2015年12月3日 本

中山書店の「モーションエイド―姿勢・動作の援助理論と実践法」は動作介助と姿勢・体位管理(ポジショニング)について、『生活場面』に準じた形で写真・イラストを多用し解説している。
著者は下元佳子生き活きサポートセンターうぇるぱ高知代表。
「モーションエイド」は造語。生活の中には食事、排泄、入浴、睡眠などの活動があり、いずれも姿勢・動作によってつくられている。ケアをするには「動作介助」ではなく「動き」を大切にするべき。動きのない拘縮した体をつくらないケアを広げるのを意識し、サポートするのがモーションエイド。動作介助を行う目的として意欲や自立心を引き出し、自立支援につながるケアの提供を説く。
臥位・座位姿勢管理のポイントや寝返り、起き上がり、移動・移乗など、姿勢と動作を理解するための基礎知識を示し、食事、排泄、入浴、睡眠といった生活を支えるモーションエイドを、悪い介助例も含め豊富なカラー写真・イラストで説明。
コラムではスライディングシート等の使い方、快適な食事姿勢(車いす、いすとテーブル)、排泄時の姿勢に配慮したポータブルトイレなどについて述べている。
介護職をはじめ理学療法士らリハ専門職、看護職等、高齢者医療・ケアに関わる専門職者が、それぞれのレベルで学べる構成。


高齢者ケアに関わる多職種がそれぞれのレベルで学べる

ベストナース 2015年12月号 Book Review

生活をする上で必要な“動き”のサポートに重点を置き、“動きを引き出す”“動ける身体にする”ための指南書。その動作介助と姿勢・体位管理(ポジショニング)について、基本理論と実践方法を、「生活場面」に準じて、写真・イラストを多用しながら具体的に説いています。リハ専門職、看護・介護職など、高齢者ケアに関わる多職種がそれぞれのレベルで学べる構成です。

臨床医のための医療訴訟を回避するケーススタディ40

臨床医のための医療訴訟を回避するケーススタディ40 published on

医療における訴訟の手続きやその流れ、特に訴えられた場合に我々医師が何をすべきかを分かり易く解説

Anesthesia Network Vol.18 No.2(2014年2号) 麻酔科医に薦めたい本

書評者:廣田和美(弘前大学大学院医学研究科麻酔科学講座 教授)

私のお薦めしたい本は、白崎修一、他編著「臨床医のための医療訴訟を回避するケーススタディ40」です。昨今、医療事故、過誤にまつわる報道やその裁判の報道が新聞やネットによく出てきます。皆さんも、ご自身や身近な同僚が医療事故や過誤に関係した経験がお有りではないでしょうか? 私自身も、北海道にあった病院に勤務していた時に、深夜当直医から、救急車で来院した患者の蘇生の応援を頼まれ蘇生現場に立ち会いました。しかし、ひどい誤嚥性肺炎を起こしており、救命は無理でした。その後、遺族がその当直医の対応に問題があったとして裁判を起こし、私も裁判所に呼ばれ原告側の弁護士と対峙した経験があります。その時は私の意見を裁判官が認めてくれて、当直医の過失は全く無しとなり、ホッとしたことを思い出します。その後も、大学病院ですので何年かに1例くらいは院内での医療事故に関連した訴訟が起きており、身近な問題と感じています。しかし、私白身が法律に疎い上にそれを簡易的に勉強する手段を持っておらず、気になりながらも何もせずに今まで医療を続けてきました。多くの皆さんも同様ではないでしょうか?
本書は、総論で2名の弁護士が、医療における訴訟の手続きやその流れ、特に訴えられた場合に我々医師が何をすべきかを分かり易く解説しています。そして各論では、白崎医師(麻酔科)と澤村医師(脳外科)が、民事医療訴訟の事例および判決を、弁護士のコメントに加えて、医師の立場から我々医療関係者が分かり易いように解説してくれています。各論の40症例の多くは、我々麻酔科医が関与する周術期に関わるもので、いつでも起こりそうな内容ばかりです。特に、Case 2や10の気管挿管困難症例、Case 19の低血圧麻酔による脳障害症例などの麻酔管理そのものが問題となったケースもあります。また、本書では、単に医療事故の経緯だけでなく、判決の基準となった根拠、つまり過誤なのか事故なのか、医療水準、因果関係、説明義務違反の程度などから、起こった事故は同じでも、判決が大きく変わることがあることを示しています。
この一冊を持っていることで、いざそのようなことに遭遇した時、慌てずに冷静に対処できるのではと思い、皆様にお薦めする次第です。


臨床に携わっている現場の医師たちには有益な内容のある本

臨床麻酔 Vol.37 No.10(2013年10月号) 書評より

書評者:並木昭義(小樽市病院局長)

このたび「臨床医のための医療訴訟を回避するケーススタディー」の本が中山書店より上梓された.この本の筆頭編著者の白崎修一氏(麻酔科医)は夜間の法科大学院で法律を修得し,医療現場で臨床医が苦悩する訴訟問題に役立てる目的でこの本を企画,出版した.同志の編著者として澤村豊氏(脳神経外科医)および弁護士の田端綾子氏と中村誠也氏が加わった.一読し,この4名のチームワークのすばらしさを感じた.
この本の構成は大きく2部に分かれ,その内容は中身が濃く,豊富であり,かつ明解に書かれてある.Part Iは総論で「医療訴訟でおさえておきたい基礎知識」で2名の弁護士が担当し,医療における訴訟手続きやその流れを分かりやすく解説する.このPartは5つのChapter(章)とそれに関連した項目,さらに細項目から成る.1章は医療事故とはで,3項目がある.2章は医療過誤を起こしてしまったらで,9項目がある.3章は医療過誤と疑われたらで,4項目がある.4章は医療訴訟を起こされてしまったらで,9項目がある.5章は医療事故からの学びで,2項目がある.これらの項目の基本的知識をより実践的な形式にして,読者が興味をもち,理解しやすくするためにQ&A形式にする.それぞれの項目を文章化して質問として表記する.それを解決するために必要な事項に対する医学的知識,情報を提示する.できるだけ図表を多く取り入れて解説する.さらにページ紙面の余白に文中の略語や語句の説明などのコメントを入れる.この項目の内容をまとめ解説する.そして結論として回答を明示する.編著者が重要であると判断した情報のコラムを掲載する.このようにPart Iは法律に疎い臨床の医師らにも明確に理解できる工夫がいろいろとなされており,その内容は大変有益であるので必読することを勧めます.
Part IIは各論で「ケーススタディ」であり,白崎氏と澤村氏が担当する.これまでの医療民事訴訟の中から内科(呼吸器,循環器,消化器),小児科,麻酔科,放射線科,皮膚科,救急,外科(脳神経,整形,消化器),産婦人科,歯科,病理のケース40編を選別し,紹介する.各事例の経緯の文章はよく書かれており感心した.ストーリーを明確にするためにはその内容を図表にまとめてみることである.本文ではその方法を活用する.また,各事例の民事訴訟の判決文の要約を載せる.事例の問題点を挙げてそれについて解説する.その結論をまとめる.まとめるに当たって参考にした各種ガイドラインなどの医学資料を明示する.そして医師として得た教訓と弁護士からのコメントを載せる.
このように各事例の内容は読者に理解してもらう,役立ててもらうための工夫が十分になされてある.私自身はこれまで法廷に直接立ち,意見書,鑑定書を書き,裁判所の専門委員を務めるなど訴訟,裁判に関して多くの経験をしてきた.私は,この本を読んで納得できる場面が多くあり,知識の再整理できたことを喜んでいる.それと同時に臨床に携わっている現場の医師たちには有益な内容のある本であり,参考になるので是非手元に置き,活用されることを勧めます.


訴訟を恐れることからくる医療現場の萎縮を抑える一助となる

LiSA Vol.20 No.8(2013年8月号) Medical Booksより

紹介者:白崎修一(札幌秀友会病院)

臨床医は,常に医療事故というリスクに接している。とはいえ,及び腰で医療に従事するというのは悲しいことである。
医療訴訟の判決文は,医療者が読むには非常に難解である。その判決文を医師がリライトし,弁護士からのコメントを加えてケーススタディとして読めるものがあれば,訴訟の流れや争点となった医療行為を理解することができ,それが訴訟を恐れることからくる医療現場の萎縮を抑える一助となるのではないか,と考えて本書を企画した。
前半部分は医療訴訟をよく知る弁護士に,トラブル解決に結びつく観点を訴訟の仕組みとともに医療者目線で書いてもらった。訴訟の仕組みや,裁判で争点がいかに捉えられているかなどを理解しておくことは,必ずや前向きな医療を行っていくのに役立つはずである。


治療する側とされる側の不幸な対立を避けるために読んでおきたい

Medical Tribune 2013年6月27日号 本の広場より

帝王切開手術を受けた産婦が死亡し,執刀医が業務上過失致死と医師法違反の容疑で逮捕された福島県立大野病院の事例は,医療関係者に衝撃を与えた。医療従事者の誰もが医療事故に関する刑事裁判の被告になる恐れがあり,また,誰もが事故原因の説明に不満を感じたり納得できなかったりすれば告発できるのである。今や他人事ではなくなった医療訴訟に対する備え方を,医師と弁護士がケーススタディを交えて解説する。
前半は,医療事故の分類から患者に対する説明義務の在り方,損害賠償額の計算方法など基礎知義か述べられている。2人の弁護士が医療に関する訴訟の手続きや流れを説明する他,さまざまな事件や司法用語に関するコラムも掲載した。
後半の各論部分では,民事訴訟で出された判決文の要約から事例を時系列に基づき再構成し,医師としての立場で得られる教訓や弁護士のコメントを挟んだ。刑事訴訟については個別事例の提示を避け,総論で触れるにとどめた。医療訴訟のケーススタディは40編に及び,現在公表されているガイドラインとの整合性についての解説も付記されている。治療する側とされる側の不幸な対立を避けるために読んでおきたい1冊である。


組織に1冊あると心強い内容

ベストナース 2013年6月号 Book Reviewより

白崎修一・札幌秀友会病院副院長、澤村豊・さわむら脳神経クリニック院長ら札幌の医師、弁護士による医師向けの訴訟リスク対策テキスト。医療分野での訴訟について実際にあった40ケースを読み解き、法と医療の関係を解説しています。判例だけではわかりにくい事件前途の経過の要約を当事者目線で綴り、概略を図解で整理。病院など組織に1冊あると心強い内容です。


白崎、澤村両医師と弁護士2人が解説

介護新聞 2013年4月25日号より

中山書店から発刊された「臨床医のための医療訴訟を回避するケーススタディ40」は実際にあった四十のケースを医師と弁護士が読み解き、法と医療の関係を解説した訴訟リスク対策のテキスト。
編著者は白崎修一札幌秀友会病院副院長、澤村豊さわむら脳神経クリニック院長と札幌の弁護士・田端綾子、中村誠也両氏。
医療者が知っておきたい裁判や医療訴訟の基礎知識として医療過誤と医療水準・因果関係、説明義務、賠償責任のほか、法的責任の種類や医療過誤を起こした場合の対応、刑事裁判、行政処分、無過失補償制度を説明。裁判費用、マスコミ対策、モンスターペイシェント、カルテ記載上の注意点にも言及している。
判例だけでは分かりにくい事件前後の経過要約を、医師二人が当事者目線でつづり、概略がイラストで一目で分かる構成。
訴訟を回避するための教訓を得られ、病院など組織に一冊置いておきたい内容だ。

らくらく&シンプル ポジショニング

らくらく&シンプル ポジショニング published on

安全・安楽な方法 カラー写真で解説

介護新聞 2010年11月4日 「本」より

中山書店から刊行された「らくらく&シンプルポジショニング」は患者や介護される人にとって安全・安楽で、介護者にと
っても負担が少ないポジショニングのポイントを満載している。

著者は田中マキ子山口県立大教授。

拘縮、麻痺等があり、寝返りを打つなどできない人は褥瘡のリスクが高いため、適切なポジショニングが必要。一人ひとりの状態をしっかり観察し、アセスメントした上で実施する必要があるという。

少ないピローでシンプル、安全・安楽にポジショニングを実践でき、効果を向上させるためのポイントを紹介。

▼車椅子使用▼四肢拘縮▼人工呼吸器装着▼脊椎損傷―など、さまざまな状態でのポジショニング手順、ピローなど用具の適切な使用方法をカラー写真で解説。使用前後の状態や良い例、悪い例など示し分かりやすい。


豊富なカラー写真で,ポジショニングのコツを目で見て学べる

ベストナース、2010年10月号 Book Reviewより

少ないポジショニングピローでシンプルに、安全・安楽に実践するポジショニングのコツを伝授。すぐに実践できる技術を紹介すると同時にポジショニングのエッセンスを明示しています。体位の評価に始まり、その効果を向上させるポイント、円背・四肢拘縮・人工呼吸器装着患者などケース別対応を掲載。豊富なカラー写真を中心に展開しており、目で見て学べます。