1.2023年度テーマ
「健康格差のヒューマンサイエンス」
世界保健機構 (WHO) は健康とは身体的、心理的、社会的に良い状態 (well-being) と定義した。遺伝的要因、栄養、生活習慣などが身体的健康に影響を及ぼすが、胎児期・新生時期の低栄養が成人期の身体・精神疾患を増加させ、寿命を短くすることもコホート調査により明らかにされた。一方、社会経済的な困難はすべての世代の健康状態を悪化させ、疾病の罹患率を上げ、治療成績を低下させるだけでなく、妊娠中、小児期、青年期の社会経済的困難は成人期になってからの健康を悪化させ、寿命を短縮させる。
第二次世界大戦前のわが国は英仏米と同様に所得上位1%の者がその国の全体所得の約2割を占める程、格差が大きかった。戦後しばらくはいずれの国でもその割合は約1割に低下したが、70年間以上にわたる経済成長の結果、米国や英国では国民の所得格差が戦前に戻りつつある。一方、仏国やわが国では社会経済的な公平性が比較的保たれていたが、近年のわが国では経済状況の悪化が続き、所得の地域・個人格差が顕在化し、2018年にはわが国の17歳以下の子どもの相対的貧困率が13.5%と世界平均の13.2%よりも高くなり、わが国のひとり親世帯の相対的貧困率がOECD30か国中最も高いなど,国民の社会経済的格差が顕著となっている。さらに、コロナ禍が格差社会を顕在化させ、健康へ悪影響を与えつつある。
ヒューマンサイエンスとして健康格差を幅広い視点から捉え、その実態を明らかにし、改善に向けた道筋を示す研究が今強く求められる。
2.応募方法
以下を厳守下さい
所定の申請用紙に必要事項を記入し,代表的な論文の 別刷り(A4サイズ・PDF版)1部 とともに,6月15日(必着)までに下記申込みフォームより送付してください.
又、合否のお問い合わせ等はお受けできません。
申請書のファイル名は,応募種類(半角数字)応募者名(褒賞の場合は被推薦者名)-(ハイフン)申請の種類
1:中山賞大賞 2:中山賞奨励書 3:研究助成 4:海外渡航助成 5:海外研究者受入助成
例:1中山太郎-中山賞大賞
※ファイル名にスペース(半角・全角)は含まないで下さい。
論文の別刷り(A4サイズ・PDF)のファイル名は,応募種類(半角数字)応募者名(褒賞の場合は被推薦者名)-(ハイフン)論文
例:1中山太郎-論文
※ファイル名にスペース(半角・全角)は含まないで下さい。
国際交流助成(海外渡航助成/海外研究者受け入れ助成)申請の方のみ
招聘状,あるいは招聘を受けられる見込みの場合は招聘が確認できるもの(手紙等のやりとり)をPDFで必ず添付してください.
※いずれも,招聘先での職名(肩書き)および渡航期間の記載のあるものに限ります.ファイル名は,応募種類(半角数字)応募者名-(ハイフン)招聘状(招聘の手紙)
例:4中山太郎-招聘状(招聘の手紙)※ファイル名にスペース(半角・全角)は含まないで下さい。
※他財団/団体等との重複助成について
研究助成・国際交流助成とも,類似テーマ・同年度内での当財団との重複助成は認められません.
送付先
応募に関するお問い合わせはメールにてお願い致します.(日中連絡可能な電話番号を明記して下さい)
メールアドレス:zaidan@nakayamashoten.co.jp