画像に関する大切な知識がもたらされ,診断力は確実にアップする

小児科診療 Vol.75 No.8(2012年8月号) 書評より

評者:市橋光(自治医科大学附属さいたま医療センター小児科)

 本書1冊で,疾患群では中枢神経,頸部,呼吸器,心大血管,腹部,腎・泌尿器,整形外科,新生児,胎児,検査ではX線写真,CT,MRI,超音波,核医学の内容が含まれ,小児科医が診療しなければならない幅広い領域の画像診断に対応できる充実した内容となっている.
 1章の総論では画像の成り立ち,検査の適応と方法,放射線被ばくの問題について述べられている.これらを知ることで,患者への負担を最小限にし,診断に必要な画像を鮮明に撮ることが可能となる.さらに,系統的読影手順が示されており,小児科医が見落としなく読影できる方法を伝授してくれている.
 2章以降では具体的な疾患ごとに,まず疾患の簡潔な説明があり,続いて鮮明な画像が豊富に掲載されている.画像の多くに矢印を入れてていねいな解説が施されているのでわかりやすい.画像の特徴が示されるとともに,なぜそのような画像を呈するのかを疾患の病態をもとに説明されているので,単なる暗記ではなく,疾患の病態と画像を結びつけて覚えることができる.
 本書を通じて,画像に関する大切な知識が小児科医にもたらされることにより,その診断能力は確実にアップする.多くの小児科医に活用していただきたい1冊である.